介護職員が抱くストーマに対する誤解

人工膀胱・人工肛門のことをストーマと呼びます。介護施設において、このストーマを装着している方は少なくありません。そんな中、介護職員は、排せつ物の処理やパウチの交換を行うことが許されています。誤ったストーマケアの一つとして、ワンピースタイプのストーマのパウチ内が満杯になるまで処理を待つという事例があります。しかし、この対応は間違いであり危険です。満杯になるまで放置してしまうと、重みでフランジが外れやすくなってしまうため、可能な限りこまめに交換をするのが望ましいです。

また、人工肛門のストーマに関するよくある誤解もあります。基本的に人工肛門を装着している人は、肛門括約筋がありません。そのため、装着者は意識して排便を我慢することができません。我慢できないため、常にパウチを装着する必要があるのですが、一部の人で「意識して我慢ができる」と認識されているようです。こうした誤解は、ゆくゆく思わぬアクシデントを引き起こしてしまいます。ストーマを装着している利用者にも気持ち良く過ごしてもらえるよう、このような誤解が無いよう学び、相手に寄り添ったケアを実施しましょう。介護職員向けのストーマケアの情報が、こちらのサイトにまとめられているので、ぜひチェックしてみてください。

他にも、ストーマは便や尿の臭いがきつく、ケアが大変だというイメージを持たれていることもあるようです。確かにそういった側面は否定できませんが、工夫次第で改善することはできます。例えば、食事内容を見直し、改善するという方法。実際、牛乳をはじめとする乳製品や果物は、大便がべとべとになり、ネギやニンニクなどの薫陶類は、便の臭いが強くなることで知られています。便や尿が臭うのは自然なことですが、鼻にずっと残るくらいの悪臭の場合は、何らかの原因があります。利用者の健康を守るという意味でも、便や尿の状態を良い方向に持っていくことが大切です。